FARMER’S KITCHEN THE gram(1)

先日地元から妻の友人が遊びにやってくると言う事で、どこか良い店はないかという話になった。あれこれ考えている中、妻が行った事があるという店が候補に挙がったのだか、そこは筆者が以前オープニングのレセプションパーティーに招待頂いたが、仕事の都合で行けなかった場所と一致した。オープン後、噂にもなっていたので非常に興味があり、タイミングが良かった。むしろ友人との食事よりも…というのは冗談である。

その日は土曜、しかも夜ということもあり相当な席数があるにもかかわらず満席。気の長い人間ばかりだったので、待つことになった。しかしお察しの通り、この仕事をしている人間にとっては好都合、それ以外の何物でもないのである。

ここは別の飲食店の居抜きであるものの、その造り込みには感銘を受けた。外観からして新築したようなオリジナリティを放っており、全体的な雰囲気や建築・インテリアの観点からは所謂ヴィンテージ系、ブルックリンスタイルといった感じだろうか。現在流行の傾向にはあるが、組み込んだ素材やアイテムがかなり「本物志向」なので、チープさやレプリカ感は全く感じられない。

エントランスの前に立つと、中の様子が程良く分かる。客席はすぐに見えない様に配慮されているが、レジ回りや案内板、店員の居場所がすぐに掴める。心地よく薄暗い店内に入ると無機質なコンクリート三和土(たたき)と相対して、天井・壁は木の素材感を、塗装色や陰影で際立たせていた。またそのオーガニックな素材とは異質な金属(真鍮や鉄)を織り交ぜる事で空間全体を統一している。ついつい既製品や手抜きなものになりがちなものまで、細部に渡り拘りを感じる。例としては待ち人数を書き込むための予約表を置く台をも、デザイン・素材・大きさも空間にフィットしたものになっている。

敷地自体の広さもあってか、一般的な飲食店にしては、この待合を含め、通路の幅や客席のゾーニングにはかなり余裕を感じた。写真NGの為に撮れてはいないのだが…。
客席もバリエーションが多彩で、待合から奥まで導かれる道中最初に、座る客の顔が見えるか見えないかギリギリの高さで囲まれた、向かい合う2人席・4人席があり賑わう人の雰囲気を感じることができる。その通路は昼間、ランチタイムのビュッフェスタイルに対応した長いカウンターになっており、その下の腰壁にはヴィンテージ家具の引出をモチーフにしている。実際に引出としての機能は無いのだが、その色使いやヴォリュームに圧倒される。

次に見えるのは四方を客に囲まれたバーカウンタースペース。一部はセルフのウォーターサーバが並んでおり、フレーバーが3種類から好みなものを選べる。「ライム&大根」フレーバーは衝撃的だったが、スッキリした仄かな苦味が美味かった。
後は向かい席が数席バーカウンターの横に数席あり、通路を挟んだ左側には団体用の個室が見える。結構な人数を収容出来るので、小さな団体なら2組くらいはパーティーが出来るのではないか。

(2)に続く

 

ライター:北澤武宏について

https://creators.view.cafe/takehiro_kitazawa/

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