こだわりのオーダーキッチン Vol.3

ここまでは色や素材・魅せ方を重点的に話してきたが、次はそのゾーニングと機器類の配置・機能等について見ていきたい。
まずアイランド側には水回りが配置される。少し幅広のステンレスシンク(有効幅828mm)にしているが、コンロ等の機器類が無い為にワークトップが広々と使える。

 

他にはミーレの60cm幅タイプの食洗機が入っていて、今回は今夏迄の限定販売機種の「ミーレ25周年記念モデル」を搭載した。ミーレの食洗機に取り入れられる様々な機能の中から、最もよく使われる機能のみを残したコストパフォーマンスモデルである。

海外製機器を予算の関係で断念するクライアントも少なくはない中、現在は人気沸騰中で、こちらからの提案以外にクライアント側からの要望に入っている事が最近では多くなった。

 

 

混合水栓はお馴染みになっている浄水器付きのF914ZC。ドイツの人気ブランド「グローエ」と三菱レイヨンのコラボモデルであり、浄水器機能が有りながら10万円を切るコストパフォーマンスも魅力である。

アイランドに引っ掛かるように造り付けたテーブルは、更に大きくゆったりした対面6人は座れるサイズ感で、素材の味と共に非常に高級感を感じられるデザインを目指した。密接するアイランドの無機質な雰囲気とのギャップも助け、柔らかな表情で全体のバランスを取っている。

 

話はバックに移る。こちらはアイランドと機能を画し、「焼き場」と大きな容量を誇る収納を配置している。

まずその焼き場の部分であるが、ガスコンロ(魚焼きグリル付)とガスオーブン(コンベック)のコンビネーションが組み込まれ、その機能としては様々な料理に合わせた使い方を可能にしている。余談になるが今回のものは違うのだが、ガスオーブン(コンベック)には電子レンジ機能を持つ物も有り、一般的には「電子コンベック」と呼ぶ。

 

その上にはレンジフード。ここではイタリアンデザインで日本品質が定評のあるアリアフィーナ「ベッタ」。ブランドの中ではセカンドライン「アリエッタ」のカテゴリーに入るローコストモデルになるが、よく使う同ブランドの「フェデリカ」との違いは、フィルター仕様でタイマーレスというくらいで、フォルムが少しばかりゴツくなるだけ。全体的にモノトーン(ホワイト+ライトグレー)が多くシャープなラインが多いので、少し気を抜く部分を入れた。

その少し右から伸びやかに配置した飾り棚は長さは3メートルほどあるものの奥行を25cm、更には厚みを4cmと厚めにして、調理器具を並べる機能性の部分よりも、装飾性を強くした。棚下左にだけレーリングを取り付けさり気なく機能性を加えている。

バック収納の左側、キッチン全体を正面から見てアイランドと重なる部分付近は、主に食器や鍋・フライパン類・調理器具、食品のストック等を入れるが、テーブル側(右側)に近づくにつれて、CD・DVD類、雑貨・小物等を入れる引出もたっぷりと配置した。

ここまで紹介してきたように、しっかりとゾーニングをして機能や収納物の分離はしているが、幅が約5メートルとかなり贅沢なボリュームを有している為、ビジュアル的には一つの彫刻の様な一体感・統一感を実現出来たように思う。

 

 

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繰り返しにはなるが、今回のキッチンはクライアントの迷いやこだわりが最後まで影響し、その想いが建築との調和に関して大部分を占めている。

そういった意味で、最終的に振り返ってみるとクライアントが積み上げていったプランを、崩れないように少しずつ支えていただけのアシストに徹した仕事に終始していたのではないだろうか。クライアントから学ぶことが非常に多かった事案である。

 

こだわりのオーダーキッチン Vol.1を読む

こだわりのオーダーキッチン Vol.2を読む

 

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