私がインテリア業界に携わって約15年。その初期の頃からの付き合いでもあるソファ専門メーカーが、昨年末満を持して東京・青山にショールームをオープンした。
元々は表立ってその名前を出す事はなく、全国各地のインテリアショップや家具屋のオリジナルソファを製作してきた。
創業20年ほどの若い会社ではあるが、独自のノウハウを駆使した製法でトップレベルの品質を誇るソファを生み出してきていた。
ソファ専門メーカーと言えども、他に無い訳ではなく様々なスタイル・素材・価格帯でそれぞれが差別化を図っている。
ソファという物は家具の中でも、素材や構造を隠そうと思えば隠せてしまう為、作り手側からすれば品質ダウンも可能である。
かなり前の話にはなるが、仕事柄ソファを納品した際に古くなった物を引き上げてくる事が有り、廃棄する為に自分達で解体をした経験がある。
粗雑な組み方でスカスカの木製フレームや伸び切ったSバネ、ボロボロに崩れたスポンジ(ウレタン)が内部で散乱していて、中でも一番驚いたのはクッション材の中に新聞紙を丸めた物が混合されていた事。新聞は中◯語、コストダウンだけの為に、アジア諸国での杜撰な管理体制の工場で作られている製品は酷い、と実体験により脳裏に焼き付いている。勿論それが全てでは無いのだが…。
今回紹介する「TRES」は家具製造界における価値観を、時代に逆行するかの様に見える、良いソファを作るために、素材・製法・作り手の技に一切妥協をしないソファ専門メーカー集大成のショールームである。
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