私は、一人でクリエイターとして自分のブランド「尚貴堂」を立ち上げました。チームではなく、個人ですべてを進めることの魅力は何と言ってもフットワークの軽さ。作りたいと思ったものをすぐに作って商品化できるこのスピード感は、チームではなかなか感じることはできません。
このスピード感が一人クリエイターの強みだとは思うのですが、注意しなくてはならない点が一つだけあります。それは、発想が独りよがりになってしまいがちだということ。いくら次々に施策を打ち出すことができても、それが多くの人に響かなければ商売にはならないため、注意しなくてはなりません。
今回は、一人クリエイターをしている私が独りよがりにならないように行なっている予防策について話したいと思います。
1、時間を置くことで客観的な視点を持つようにする
どんなに面白いことを思いついたと思っても、それは熱に浮かされているようなもの。その熱を冷ますために、アイディアは実行に移すまで少し寝かします。一晩寝かしては振り返り、一週間寝かしては振り返りと、ある程度時間を置いてから再検討することで、冷静に、そして客観的に振り返ることができるのです。
振り返った時に面白くないと感じたら、そのアイディアは未練を断ち切って捨ててしまいます。本当に良いアイディアというものは、そうして積まれた没案の上にしか存在しないと思っていますので、捨てられたアイディアも私にとっては勲章です。
2、市場調査を徹底する
自分は面白いと思ったけれど、他人はどう思うか。本当にそのアイディアは多くの人が欲しているのか。それを確かめるためにも、市場調査は徹底します。
私のブランド「尚貴堂」の製品に「Richt リヒト」というパスケースが存在します。この製品を形にするまでにした市場調査を例として紹介しましょう。
・ネット上で売れているパスケースのレビューを見る
パスケース自体はすでに世の中に多く売られているので、Amazonなどの商品レビューの閲覧をしました。売れているパスケースはどのような点が評価されているのか、逆にどこに不満を感じられているのか、そこには様々な意見が書き込まれています。有益な情報が簡単に得られるのですから、これを利用しない手はありません。
尚貴堂の「Richt リヒト」は革製のパスケースですので、同様に革製のパスケースのレビューを閲覧しました。いくつも参考になる意見が書き込まれていたのですが、多かった内容の一つとして贈り物として購入したという内容を発見。つまり、パスケースには大きな「ギフト需要」が存在したのです。
尚貴堂では、各商品への名入れに対応予定です。現在は準備中ですが、12月中には整えて対応できるようにします。クリスマス商戦に間に合わせたい…
名入れに対応してギフト需要を取り込むことで、これから電車を使い始める就職者や卒業者への贈り物を考えている人もターゲットにすることができるでしょう。このサービスは後付けでも対応できるものでしたので、導入を決めました。
さて、今回はここまでにさせていただきます。市場調査はネット上だけでは終わりません。実際に使用されている現場にも観察に向かいますが、ここからはまた長くなってしまうので次回に回したいと思います。
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