「名古屋の匠 ~Takumi~」Vol.2 異色の経歴を持つ造作工房 その1

 

こんにちは。

Creators View ディレクター、BECKのDXです。

 

「名古屋の匠 ~Takumi~」と題して、
ここ名古屋の良いモノ、コトを作る「ヒト」にフォーカスして、対談形式でお送りしています、今回は第二回目ということで、

愛知県稲沢市へ取材して参りました。

 

 

そして、今日の「匠」は、この人!

 

 

愛知県稲沢市を拠点に活動している「造作工房QunQun」(キュンキュン) 代表の 林 幹久 (ハヤシ ミキヒサ) 氏です。

 

 

写真でもわかるように、林さんは自作で戦隊モノのヒーローや怪獣を作り、自ら着用してショッピングモールなどで戦隊ショーを開催したり、クリエイターズマーケットなどに出店したりしています。

 

正直ですね、テレビや雑誌などでは、こういう活動をしている人を見聞きしたことはあっても、実際に自分の周りにはいないので、工房に入って作品を見たり、実際にお話を聞いているだけでも衝撃の数々でした。

 

 

では、造作工房QunQunのヒミツを紐解いていきましょう。

 

DX:「では林さん、本日はよろしくお願いします」

林:「よろしくお願いしまーす!」

 

 

「造作工房QunQUn」名前の由来は?

 

そんなにヒネリは無くてですね(笑)、
心がキュンキュンするように。させるように。という想いで屋号をQunQunにしました。

大人になるにつれ、子供の心をいつの間にか忘れてしまう。そんなとき、大人のまま、少しだけ子供の頃のような素直で無垢な気持ちを表現したいんです。

 

 

造作工房を始めるキッカケは?

 

 

QunQunには、私以外にも他のメンバーがいて、それぞれまったく違う活動をしています。

その仲間たちが愛知教育大学の美術科出身で、みんな社会人になるにつれ、大学時代には設備があったので、いろんなものを作ることができたのですが、社会人になると、作る場所も機材も無いので、最初は場所を借り、仲間が集まる場所、溜まり場という目的で始めました。稲沢市を選んだ理由としては、名古屋からも近く、立地が良かったからですかね。

 

 

小学生の頃からねんど細工など、手を動かすことが好きでした。あと、私は今、30歳なんですが、日曜の朝にテレビでやっていた戦隊モノが大好きで、いつもドキドキしながらテレビにかじりついていました。

 

ですが大人になるにつれ、一度は戦隊モノのことを子供だと思い、離れる時期もありました。

 

それがある日、ゴジラから中身のおじさんが見えて、すごくショックだったんです。

 

けれど、子供向けだと思ってバカにしていた特撮モノを、一生懸命作っている大人の存在に気づき、自分も作る側に携わりたいと思い、美術を学ぼうと思って、大学に行きました。

 

私は大学院にも行きましたが、その期間で着ぐるみを作っている人にもたくさん会いにいき、実際に自分でも作れるようになって今に至ります。

 

DX:「なるほど、この作品たちを見て、少年の心を持ったまま大人になったんだな〜、と思ったのですが、一時期は特撮モノをバカにしていたというのは驚きでした。」

 

林:「そうですね。そこは今、こういう作品を作っていますが、やっぱり大人になるにつれ、”恥ずかしい”という気持ちが強かったんだと思います。」

 

DX:「今はそういう恥ずかしいという気持ちは無いんですよね?」

 

林:「今はまったくありません!見る側から作る側にまわり、実際に大学などでも作ることを学び、毎日作っているわけですから、それはもう、ドキドキしながらやってますよ 笑」

 

 

林さんはQunQunをやりながら、異色の経歴を持ってらっしゃるようですが・・・

 

 

え〜っとですね・・・。

実は平日の日中は、学校に行っています。

 

DX:「ん?学校ですか?大学院を出られてから?」

 

林:「いえいえ、違うんです。小学校の教師をやっています。しかも担任です 笑」

 

DX:「え〜〜〜〜!!!生徒さんはQunQunのことは知ってるんですか?というか、学校の先生方とか。」

 

林:「たぶん知らないと思います。何となく、こういう特撮モノの工作を作っていることは話したり、チラッと見せたこともありますが、特に理由は無く、両親にも話したことはありません。ただ、両親には、ここの工房を借りていることは伝えてあります。」

 

 

DX:「なるほど!いわゆる二足のわらじってやつですね!ボクも以前、独立する前は二足のわらじだったので、それは大変ですね!時間とか・・・」

 


※林氏は昼は公務員、夜は造作士として異色の経歴を持つ。

 

そうですね、正直、時間はいくらあっても足りません。限られた時間の中で作業していて、しかも、もっともっと自分の技術も底上げしたいと思っているので、日々、色んな葛藤はあります。

 

DX:「お気持ちすごくわかりますよ。時間とか、物理的な問題だけじゃないんですよね。責任とか、使命とか、色んな事情があって、それでもやりたいことがあるから、結果仕事を2つ以上同時遂行しているんですよね。これはあくまでボクの経験上での話ですが、2つ以上同時進行していると、どちらか、あるいは両方から、片手間という言葉が誰かしらから出てきませんか?」

 

林:「ん〜。無くは無いのかもしれませんが、ただただ、時間が欲しいですね 笑」

 

林:「で、6年生の子たちが1年生のときから私が見ているのですが、今年度で卒業なんです。だから、彼らが卒業したら、ボクも卒業します!! 笑」

 

!!!!!

 

 

DX:「なんと!!公務員との二足のわらじから、QunQun1本でってことですね!!素晴らしいチャレンジですね!」

 

 

林:「はい!だから今は、残された時間で造作も教師も思いっきり毎日楽しんでやろうと思っています。」

 

 

 

 

※次回「その2」では、林氏の独立への思い、葛藤、不安などにフォーカスを当てていきます。

 

 

 

 

「名古屋の匠 ~Takumi~」Vol.2 異色の経歴を持つ造作工房 その2へ続く

 

 

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